TOPへ

ドライアイ治療

ドライアイとは?

ドライアイとは?ドライアイは、角膜表面の涙液の量が不足したり、涙液膜の安定性が低下することで、ゴロゴロとした異物感、見えにくさ、目の乾燥などの症状を伴う病気です。角膜に傷がつき、視力低下の原因となることがあります。
以前までは、涙液減少症、乾性角結膜炎といったように呼ばれていましたが、現在はドライアイで統一されています。
ドライアイは、涙液中の水分が減少する「涙液減少型」と、涙液膜が不安定になり角膜表面がデコボコする「BUT短縮型」に分けられます。検査によってタイプを見分け、適切な治療を行うことが大切です。

ドライアイの症状チェック

ドライアイでは、以下のような症状が見られます。角膜が傷つき、視力低下を引き起こすこともあります。


  • ゴロゴロとした異物感
  • 目がショボショボする
  • 目の見えづらさ、かすみ目
  • 目の乾燥
  • 目のかゆみ、痛み
  • 目の充血
  • 目が疲れやすい、重い
  • 光がまぶしい
  • 目やに

目の疲れやすさを伴う病気に、眼精疲労もあります。眼精疲労とドライアイを合併しているケースも少なくありません。
現在、国内のドライアイ患者は、800万~2,200万人にものぼると推計されます。

ドライアイはひどくなるとどうなる?失明の可能性は?

ドライアイはひどくなるとどうなる?失明の可能性は?ドライアイを発症すると、角膜や結膜が外界からの刺激を受けやすくなります。
放置する危険性を知っておき、症状に気づいた時にはお早目に当院にご相談ください。

ドライアイが引き起こす悪影響

ドライアイが重症化したとしても、失明に至ることはありません。
しかし、以下のように目・身体に悪影響を及ぼします。

視力低下

症状の1つとして、見えづらさがあります。これは、涙の不足によって角膜の表面がデコボコになってしまい、光が乱反射するためです。
また、角膜が傷つき、視力が低下してしまうこともあります。

自律神経の乱れによる体調不良

ドライアイの不快な症状が続くことでストレスが蓄積し、自律神経のバランスが乱れることがあります。頭痛、肩こり、集中力の低下、イライラ、腹痛、下痢・便秘など、さまざまな心身の症状が引き起こされます。

ドライアイの3つの原因

ドライアイの主な原因として、“3つのコン”が挙げられます。

パソコン

パソコン作業中は、画面を集中して見ることでまばたきの回数が減少します。目の表面から涙の蒸発が進むことに加え、涙腺からの涙の分泌も低下すると言われています。

コンタクトレンズ

コンタクトレンズの装用も、ドライアイの原因となります。特に涙を吸い上げるソフトコンタクトレンズは、ドライアイの発症リスクが高くなると言われています。

エアコン

今やオフィス、自宅などでは多くの時間、エアコンが効いています。エアコンの使用によって空間・部屋の湿度が低下するため、涙の蒸発が早くなります。エアコンの風が直接当たることで、ドライアイのリスクがさらに高まります。

ドライアイ治療の検査方法

最新のドライアイの診断基準は「BUT(涙液膜破砕時間)が5秒以下」となっています。
当院では、BUT検査はもちろん、シルマー試験、角膜・結膜の状態を把握する検査などにも対応しており、より正確な診断が可能です。

BUT検査

涙の安定性を調べる検査です。
目を開いてから涙の膜が壊れるまでの時間(BUT=Break Up Time)を計測し、5秒以下であった場合にドライアイとなります。

シルマー試験

涙の分泌量を調べる検査です。
試験紙を下まぶたの隙間に入れ、試験紙が濡れた長さを計測します。

角結膜生体染色検査

フルオレセイン染色液を点眼し、角膜や結膜を染色します。その上でスリットランプなどを使用し、角膜・結膜の傷などの異常の有無を調べます。

ケラトグラフ

涙の量、涙の安定性、マイボーム腺の状態などを調べます。
治療効果を評価する際にも使用します。

ドライアイ治療の特徴

当院では、以下のようなさまざまなドライアイの治療法をご用意しております。
検査・診察の上、お一人おひとりに合った治療を提案します。

点眼治療

通常、まず行うのが点眼治療です。涙液膜が不安定になるBUT短縮型ドライアイの場合、涙液中のムチンが減少しているものと思われるため、ジクアス点眼液やムコスタ点眼液を使用します。

ジクアス点眼液

涙液中のムチンと水分を増やす作用があります。

ムコスタ点眼液

もともと胃粘膜の保護を目的として使用されていたムコスタ錠を、点眼薬にしたものです。涙液中のムチンを増やす作用、抗炎症作用があります。

ヒアレイン点眼液

角膜の傷の治癒を促進する点眼薬です。

マイティア点眼液

不足した涙液の量を補う人工涙液です。コンタクトレンズを装用していない時に使用します。

ソフトサンティア点眼液

不足した涙液の量を補う人工涙液です。コンタクトレンズを装用して使用できます。防腐剤が入っていないため、開封後1週間以内に使い切るか、余った場合は破棄してください。

涙点プラグ

まぶたの鼻側にある「涙点」を人工のプラグでふさぎ、涙の排出を抑える治療です。
プラグはシリコン製または液状コラーゲンのものを使用します。

温罨法

マイボーム腺が機能不全を起こしている場合に有効です。市販の目を温めるシート、カイロなどでマイボーム腺付近を温めることで詰まりの原因となっている油が溶け、ドライアイの改善が期待できます。1回あたり数分、1日2回を継続します。

まぶたの洗浄

マイボーム腺が機能不全を起こしている場合に有効です。まぶた専用の洗浄液でまぶたの縁を洗浄することで油が出て、ドライアイの改善が期待できます。1日2回を継続します。

IPL治療

特殊な光を照射することで、マイボーム腺の詰まりを解消し、ドライアイ改善を図る治療です。

ドライアイは放置せず まずは受診しましょう

ドライアイは放置せず まずは受診しましょうドライアイは、他の眼疾患と比べて“軽い病気”あるいは“病気ではなく体質”と捉えられるケースが少なくありません。しかし、目の乾き、異物感などをはじめとする症状が慢性化したれっきとした病気であり、治療をせずに放置していると、視力低下などを引き起こすことがあります。
ドライアイの症状は、多くの方が一度は経験する、身近なものです。症状が何週間も続く場合には、ドライアイの可能性を考え、お早目に当院にご相談ください。

目の乾きに口の渇き…「シェーグレン症候群」の可能性も?

目の乾きに加え、口の渇きを感じる場合には、シェーグレン症候群という病気を疑う必要があります。シェーグレン症候群とは、免疫のバランスが崩れることで、涙腺や唾液腺が攻撃され、目や口の乾燥をきたす病気です。
シェーグレン症候群はまた、関節リウマチに合併することが少なくありません。起床時の手指のこわばりがある方、リウマチの家族歴がある方で目や口の乾燥がある場合には、精密検査を受けることをおすすめします。